「子どもを産む必要はない」と医師
ニュースサイトIRINでショッキングな記事を見つけた。今年発表されたAfrican Gender and Media Initiativeのリポートで、HIVポジティブの女性に医師が不妊手術を強要するケースがあることがあきらかになったというのだ。
ナイロビに暮らす30歳のHIVポジティブの女性は一児のシングルマザー。 5年前に出産したあと医師の強いすすめで不妊手術を受けた。
妊婦健診に行ったナイロビのクリニックで、医者は、この先も子どもをほしいかと女性にたずねた。女性が「ほしい」と答えると、「その必要はない」と医師は言ったという。生まれてくる子どもがHIVに感染しているかもしれないし、母親である女性がエイズを発症してなくなれば、子どもは孤児になるからと女性を説得した。
母子感染は防げる
母子から子へのHIV感染は、子宮内感染、出産時の感染、母乳による感染のケースの三つがある。しかし、現在は投薬や帝王切開による出産、粉ミルクの使用などによって、高い確率で感染を防げるようになっているという。
だが、女性が産んだ子どもはHIVに感染していた。「医師たちが子どもをHIVから守るために努力したとは感じられませんでした。彼らにとっては、子どもがHIVに感染していたほうがよかったのでしょう。そのほうが自分たちが言っていたこと正しく聞こえますから」と女性は語る。
ほかにも「もし不妊手術を拒否すれば、もうHIV治療を受けさせない」と医師に脅されたという証言も寄せられている。同様のことは、マラウイ、ナミビア、南アフリカ、ザンビアなどほかのアフリカ諸国でも起きているという。
ケニアの家族計画ガイドラインでは不妊手術は同意のもとに行われるものだと定めており、倫理に反する行為だ。ケニアの国内の医師会では、事実関係の確認を急いでいる。

IRIN
http://www.irinnews.org/Report/96932/African Gender and Media Initiative
http://gem.or.ke/