支援物資を突き返す
東日本大震災の被災地へ全国から大量の物資が届いています。現地では被災した人も仕分けなどのボランティアに参加していますが実際被災者にはどの程度物資が手渡されているのでしょうか。
報道番組では「無事届きました」のような追跡企画が組まれて放送されていますが、報道されていない事実もあります。
都内に住む会社社長は粉ミルクやオムツ、生理用品や下着など女性や子ども向けの支援物資を個人的に被災地へ運びましたが、被災地では「そのような要望はない」と突き返されたといいます。
報道などでも「必要」とされる物資だと伝えられたものだったはずです。このようなことが起きた原因に、仕分けを取りまとめるのが中年男性である場合が多いことが挙げられるそうです。
【Image】
Official U.S. Navy Imagery
杓子定規な行政の対応の弊害ここにも
前出の社長は被災地の体育館へたどり着くまでに市役所や対策本部、支援物資の受け取りセンターをたらい回しにされました。公的機関や国とつながりが強いとりまとめ機関では「個人からの支援物資は受け付けない」という決まり事を守るために支援物資を受け取ってもらえなかったそうです。
行政は公平を前提とするあまり、100個の物資を持って行っても101人の被災者がいるような状況では支援物資を受け取ってもらえない、というようなことも起るそうです。
物資受け取り現場での仕分けボランティアは国の関連団体や市町村の関係者が中心ですが、その現場では支援の食料を食べながら仕分けがなされており、全く緊張感がなかったといいます。和菓子などは腐るといけないから、と避難所に届けずに食べたりするケースもあるそうです。
行政の壁に阻まれて全国からの真心の支援が届かないケースがあるのが現実のようです。逼迫した被災者を前に、人道的で柔軟な対応ができないのでしょうか。

NEWSポストセブン記事-
被災地に物資運んだ女性 たらい回しにされ悔しさで眠れず