広がる教育の機会
2010年1月に起きたハイチ大地震から約3年が経過した。未曾有の災害は、世界の最貧国の人々を苦しめたが、ユニセフは先日、ハイチの子どもの置かれている状況は改善している傾向にあるとホームページで発表した。
これは、先月10日に発表されたハイチ国内の統計にもとづくもので、教育、栄養、健康、衛生といった分野で、2006年時点にくらべて、進歩がみられるという。
1万3350世帯を対象におこなったハイチの人口保健統計によると、2012年には6歳から11歳までの子どもの77パーセントが、2012年に初等教育を受けているといい、50パーセント以下だった2005年、2006年時点にくらべて、あきらかに向上していることがわかる。
また、6か月から59か月までの子どものうち、急性の栄養失調にある子どもは、10パーセントから5パーセントに減少し、慢性栄養失調の子どもも29パーセントから22パーセントに減少したという。
これからの10年が正念場
これは、2010年の大地震とその後のコレラの大流行を受けて、ユニセフはじめ、各団体がハイチの支援に力を入れてきた成果だと、ユニセフは述べている。
しかし、まだまだ課題は山積みだ。ハイチの乳幼児死亡率は、ここ15年間で順調に低下の一途をたどってきているが、最新の統計でも1000人中88人だという。ちなみに日本の乳幼児死亡率は、1000人中2人であり、ハイチの値は、いまだ世界最悪レベルにある。
震災から時間が経過したことで、今後支援を縮小、撤退する団体も増えていくであろう。世界の最貧国を脱することができるかどうか。これからの10年が正念場といえるかもしれない。

ユニセフ
http://www.unicef.org/media/media_67182.html