伝統か動物愛護か?
イギリスの動物愛護団体World Society for the Protection of Animals(WSPA)が、イギリス領グランドケイマン諸島で、行われているウミガメの養殖に抗議していた件で、WSPAは先週までに、12万5000人のウミガメの養殖に反対する署名が集まったと発表した。
ケイマン諸島では大航海時代からウミガメを食べてきた歴史があり、乱獲によって数が激減した今、島ではウミガメを養殖して、食用、観光用に利用する政策をとってきた。
しかし、WSPAはもともと広い海で生息していた、おだやかな性格のウミガメが、不衛生な水槽に詰め込まれ飼育されるようになったことで、けいれんを起こしたり、奇行や残忍な行為をしたりするようになったと指摘する。
国際基準に反していない?
WSPAでは、ウミガメの養殖中止を求めて、昨年の秋から、署名活動を展開。以前から同団体の活動を支持してきたポール・マッカートニーも、ツイッターでウミガメの養殖を強く批判し、このキャンペーンを後押ししてきた。
Xperedon Charity Newsによると、養殖場を統括するティム・アダム氏は、ケイマン諸島のウミガメ養殖場は、多くの観光客がおとずれる場所で、動物愛護の国際基準に準拠していると主張したうえで、「外部の専門家による懸案事項については、すでにできうる限りの改善策をたてており、常勤の獣医も募集をしているところだ」とコメントしているという。
しかし、WSPAが求めているのは、あくまでウミガメ養殖の中止、養殖場の閉鎖だ。世界じゅうからよせられた署名を武器に今後どのようにキャンペーンを展開していくかが注目される。

Xperedon Charity News
http://www.xperedon.com/news_2047World Society for the Protection of Animals
http://www.wspa-international.org/