ITにも男女格差
先月30日にダボスで開かれた世界経済フォーラムで、途上国の子どもの支援を行う国際NGOプラン・インターナショナルのニゲール・チャップマン氏は、「デジタル・ジェンダー・デバイド」について発言した。
デジタル・デバイドは情報格差、つまり、おもにパソコンを通してインターネットにアクセスできる人とそうでない人との間では、受けられる情報量に差があるということを意味する言葉だ。
これまでは、おもに、地方と都市、若年層と高齢者層、富裕層、低所得差層との間でのデジタル・デバイドが問題となっていたが、今回プラン・インターナショナルが提議したデジタル・ジェンダー・デバイドは、男女間での格差のことだ。
ネットカフェでレイプの危険
途上国では、IT業界は今後の国の経済を支える重要な産業となっている。その証拠にここ10年、政府が積極的にIT産業への投資をしてきたインド、ベトナムは、急速に経済成長している。
しかし、こうした国の基幹をになうIT業界で活躍している女性は数少ないという。
男女一緒に、小学校からパソコンの使い方を学ぶ日本では、ピンとこない話だが、途上国では女子がパソコンにふれる機会が男子にくらべて少ない。
自宅でパソコンを買うことができない人々は、パソコンを使うためにインターネットカフェに足を運ばねばならない。しかし、治安の問題などから、女子が安心して立ち入ることができる場所ではない。
コンピューターショップへ自由に行く。また、そもそも教育の機会を阻まれている女子には、キーボードを打つことさえ困難だ。
プラン・インターナショナルはこれまで、途上国のコミュニティで教育・保健活動などを行ってきた。今後はそれに加え、IT教育を充実させ、女性のITスペシャリストを育成したい考えだ。

プラン・インターナショナル
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