統計から見るライオンの個体数の推移
海外紙「ル・パリジャン」電子版は今や絶滅の危機に瀕するライオンについて報じている。
「百獣の王」の名にふさわしいあの堂々たる姿がこの地球上から消え去ってしまう日はそう遠くないのかもしれない。統計によると、50年前のアフリカライオンの生息数は10万頭以上とも言われていたが、現在はなんと3万5千頭以下にまでその数を減らしてしまったという。
その減少の度合いがあまりにも急激であるため、多数の動物保護団体がアフリカライオンを保護下におくべきだと主張しているという。
image by Derek Keats動物保護団体はスポーツハントに言及
アフリカライオンの個体数が激減した背景には西洋人によるトロフィーハンティング(スポーツとしてハンティングを楽しみ、毛皮や動物の部位を戦利品とする)、都市化の影響によるライオンの生息地(サバンナ)の減少、家畜を保護するためという名目での殺りく、毛皮と食肉の調達のための殺りくなどが挙げられる。つまり、ライオンの最大の敵は人間なのである。
IFAW(国際動物福祉基金)は、特にトロフィーハンティングについて言及している。現在アフリカのいくつかの国では1500ユーロの狩猟税を払えば指定のゾーンでライオンの狩猟が許可されている(予め許可された頭数に限る)。とりわけアメリカ人ハンターがライオン狩りを行うという。
しかし一方で、これらのスポーツハントによりもたらされる狩猟税が動物の保護区域運営の貴重な財源となっていることも事実なのだという。管理されたハンティングにはメリットがある、という主張のようであるが、ライオンは先に述べたような現地の人々による殺りくでも個体数を減らし続けており、病死する個体も少なくないのだという。

ル・パリジャン
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