1日14時間労働
1億1500人の子どもが劣悪な環境で働き、6100万人の子どもが初等教育を受けられない。A World at Schoolのサイトにこんなショッキングな数値が出ている。
国際的なNGO、Plan Internationalの調べによると、特に児童労働が問題となっているインドでは、170万人の子どもが紙巻きたばこをつくる工場で働いているという。ニコチンを含むたばこの葉にふれるこの作業は、子どもの健康にも影響をおよぼしている。結核、ぜんそく、体の痛み、ゆがみなどが報告されている。
また働いている子どものほとんどが女子だという。彼女たちは1日に14時間も劣悪な労働環境で働かされており、学校に通えていない。
誤った善意が生み出す幼い売春婦
イギリスの元首相でもあるブラウン国連特命大使らは、インドをはじめ児童労働が常態化している国に対して、児童労働を禁じ、2015年までにすべての子どもを学校に通わせることを目的とした署名活動に着手している。
しかし、児童労働をなくすことは容易ではない。子どもたちが働く背景には、家庭の貧困がある。一概に子どもが働くことを法律で禁じれば今よりも見えにくいかたちで、さらに劣悪な環境で働かされる可能性もある。女子であれば、売春業で働くケースも考えられる。
実際に児童労働に従事する子どもからは「子どもが働くこと自体が問題なのではなく、劣悪な環境で長時間働き、教育の機会から遠ざかってしまうこと、心身の発達の妨げになることが問題だ」という声もあがっている。性急に表面的な解決をめざすのではなく、問題の根本を見すえた働きかけを期待したい。

A World at School
http://educationenvoy.org/Plan International
http://plan-international.org/about-plan/resources/news/