世界を変えたダイアナ妃の写真
12月1日は世界エイズデー。この日に先駆けて、エイズの予防啓発活動に取り組むイギリスの団体Terrence Higgins Trustにウィリアム王子、ヘンリー王子から激励のメッセージが届いた。
Terrence Higgins Trustは、1982年に37歳で亡くなったエイズ患者の友人たちによって設立された。二人の王子の母である故ダイアナ妃は、設立当初から、この団体の活動に協力してきた。
生前のダイアナ妃の様子について、団体のスタッフはこう語る。「ダイアナ妃はたくさんのエイズ患者のもとを定期的に訪問していました。側近たちも連れずに、ごくプライベートな形で、スタッフやボランティアに話を持ちかけ、訪問していたのです」。
当時はエイズがどんな病気なのかあまり知られていなかった時代。そのなかで、ダイアナ妃がエイズ患者と握手している写真が公開され、世界のエイズに対する意識を大きく変えることになったともいわれている。
「HIVのない世界を知らない」
王子たちはメッセージのなかで次のように述べている。
「私たちの世代はHIVのない世界を知りません。私たちはHIVと共に生きる家族、コミュニティのことを聞かされながら育ちました。今ではHIV感染者も、長い間生きられるようになりました。しかし、いまだに偏見は消えません。
Terrence Higgins Trust が30年前に始めたHIVとの闘いを私たちの世代も引き継いでいかねばなりません。私たちの母は、この活動を心から信頼していました。献身的な活動が30年間続いてきたことを心から祝福します。」
HIV、エイズへの偏見はいまだ根強く、Terrence Higgins Trustではいつも資金集めに苦労しているという。そんななかで、今回の王子たちのメッセージは心強い限りだ。
同団体は来年3月に30周年記念オークションを行う。そこでは、王子たちとダイアナ妃の写真も出品される予定だ。
Terrence Higgins Trust
http://www.tht.org.uk/