中国世界で161番目
今や世界経済のカギをにぎる中国だが、国内の経済格差、生活格差は大きい。地方では、いまだに衛生状態の悪さ、医師不足などが問題となっていた。そこへ一つの明るいニュースが飛び込んできた。
WHOは、10月30日、中国を161番目の母子感染による破傷風の撲滅国として認めることを発表した。
破傷風は傷口から破傷風菌が入って感染する病気として知られているが、妊娠中の母から子どもへ母子感染する病気でもある。乳幼児の場合、死亡率は80~90%と高く、世界の新生児の主要死亡原因の一つだ。
予防接種の普及が効果
1989年からユニセフらは母子の破傷風撲滅キャンペーンに取り組み予防接種を推進してきた。
今回、中国で103のモニタリングチームが移住労働者の多い貧困層の地域に入り、4万5088世帯をたずねて行った調査によると、2036人の出生が確認されたが、そのうち破傷風にり患した新生児はゼロだったことがわかった。
これはWHOが基準としている1000人中1人以下を下回ることから、晴れて母子感染による破傷風の撲滅国として認められることになった。
ユニセフはこの結果について、予防接種が普及したこと、妊婦が検診を受けやすくなったことが背景にあるとみている。世界的にみても、最近の20年あまりで状況は改善されており、1989年と比較すると、破傷風によって亡くなった新生児の数は、2010年までに90%以上減少している。

ユニセフ
http://www.unicef.org/media/media_66329.html