かかりつけ医はサイバードクター
インドの北部の村では、スカイへルス・テレメディスン・センターと呼ばれる施設に、毎日たくさんの患者がやってくる。そこに設置されたパソコンのスクリーンを通して、都市にいる医師に診察してもらうためだ。
この診察を行っているのはNGO、ワールド・ヘルス・パートナーズの活動に参加する都会の医師たち。「メディカルファクトリー」という名のパソコンが並んだオフィスに交代で出勤し、オンラインで患者の診察を行っている。
肺炎から子どもたちを救いたい
ビル&メリンダ財団のブログでは、同団体の新たな試みが紹介されている。
インドやそのほかの貧困国では、肺炎が子どもの主要な死亡原因のひとつだ。抗生物質などで簡単に治療できる病気だが、地方の村では、近くに医師がいない、治療費が高すぎるという理由で、適切な診断を受けることが難しく、治療を受ける前に悪化してしまうのだ。
悪化すると血液中の酸素が不足し重体に陥ることがある。ワールド・ヘルス・パートナーズはこうしたケースをすぐに察知するためのシステムを開発した。子どもの指にクリップのような機器をつけてもらい、数分で子どもの血液中の酸素濃度を測るというものだ。結果は、オンラインを通じて、医師のもとに送られるため、異常がないかどうかをその場で診断することができる。
ワールド・ヘルス・パートナーズは、今後このシステムを改善し、多くの子どもたちが適切な診断を受けられるようにしていきたいという。

ビル&メリンダ財団
http://www.impatientoptimists.org/en/Posts/2012/11/ワールド・ヘルス・パートナーズ
http://worldhealthpartners.org/