無念。でもトラは悪くない
インドネシアで、村に迷いこんだ野生のトラが村人を襲う事故が相次いでいる。農業を営むスマディさん一家は、ある日、いつものように家族と畑仕事をしていた。そこへトラが現れ、18歳の息子アマドさんを襲い、噛み殺した。「だれも助けてやることができなかった。息子は血だらけでした」。と無念さを語る。
しかし、スマディさんは、これまで村に長く暮らしてきたものの、最近まではこのような事故はなかったという。トラが村に姿を現すようになったのは、トラのすみかであった森林破壊がすすみ、生態に影響を及ぼすようになってからだ。
3万人がケンタッキーに抗議
環境保護団体Green Peaceによると、この森で森林伐採を行っているのは、大手ファストフードチェーン、ケンタッキーフライドチキンだという。ケンタッキーは、近年、紙ナプキンや包装材などの紙製品の生産を自社で行うことに決め、そのために原料となる木材を伐採しているというのだ。
スマディさんは語る。「犠牲になるのは、うちの息子だけで十分です。妻はもう一緒に畑で働くことをいやがっています。このままでは生活が成り立ちません。トラがこれ以上、私たちの村に近づかないように森を残してほしい」。
Green Peaceはホームページで、ケンタッキーがこれ以上、森林破壊を続けるのであれば、不買運動に出るべきだと述べている。まだ、これまでに3万人の人々がケンタッキーの役員に宛てて、森林破壊をやめるように嘆願するメールを送っており、ぜひ、もっと多くの人からメールを送ってほしいとよびかけている。

Green Peace
http://www.greenpeace.org/international/en/news/Blogs/