冬を越すためのキット
11月6日付けの海外サイト「le Parisien.fr」は、フランス北部ピカルディー地域圏のオワーズ県にて、冬を前にした路上生活者たちの支援策としてNGOがサバイバルキットを配布したことを報じている。
今回支援物資を配布したのはGSCF(フランス災害救助グループ)というNGOで、路上で暮らす人のために全部で10個のサバイバルキットを作成。中身は寒さに備えるための手袋、寝袋に加えダイナモライト、救急キットなど総重量は12キロにも及ぶしっかりとしたものだ。
image by colros腕時計や手帳の配布に隠されたエール
GSCFの創設者であり代表者でもあるティエリーさんは、「このキットが根本的な解決策でないことはわかっています。でもなんとか冬を越せたらと思い……」と話している。
キットの中身は実際に路上生活者らと話し合って考案したという。しかしGSCFは話し合った物以外にも、「社会復帰の気持ちがたかまれば」というエールを込めて、腕時計や手帳、メモ用紙などもキットに加えたという。
パートナーである犬にも支援を
たいてい一人きりで過ごす路上生活者は犬(またはその他の動物)連れであることが多い。通常、路上生活者などの一時的な避難場所として緊急宿泊施設が用意されているが、犬連れであった場合は入居を断られるのだという。
しかし犬は彼らにとっては人生の大切な仲間なのである。GSCFはそのような考えのもと、「生活必需品ではないが」と前置きしつつも、路上生活者のパートナーである犬に対しても支援物資を配布した。中身は手入れ用品と防寒用品であったという。
人間用のキットは160ユーロ、犬用は60ユーロ相当であり、費用は全て個人からの寄付でまかなわれたという。残念なことに県議会はこれに対し何の興味も示さなかった。支援物資の配布は寄付の金額と照らし合わせながら冬の間中続けていくつもりだという。

le Parisien.fr
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