ウミガメを食べる島
イギリスの動物愛護団体World Society for the Protection of Animals(WSPA)は、今月、イギリス領グランドケイマン諸島で、観光、食肉利用を目的として行われているウミガメの養殖が、生態に甚大な影響を与えているとして、抗議活動を開始した。
xperedon charity newsによると、同団体を支持するポール・マッカートニーも、ツイッターでウミガメの養殖を強く批判し、このキャンペーンへの参加を呼びかけているという。
ケイマン諸島では大航海時代からウミガメを食べてきた歴史がある。乱獲によって数が激減した今、島ではウミガメを養殖して、食用、観光用に利用する政策をとってきた。
しかし、人間の都合による養殖は、ウミガメに悲劇的な状況をもたらしているとWSPAのキャンペーンリーダーのデラクルス博士はいう。
おとなしい種が共食いを
ウミガメはもともと、単独で行動することを好む穏やかな性格の動物。それが養殖のために小さな水槽に詰め込まれることで共食いをするようになり、自然界では見られない病気が発生している。また、観光客に体をさわられることも、ウミガメの大きなストレスになっている。奇形で生まれてくるウミガメも出ているという。
これまでも動物愛護活動を行ってきたポール・マッカートニーはツイッター上で「ウミガメの養殖は非人道的だ」「ケイマン諸島は地球上でウミガメを食べようとしている最後の場所」と批判している。
伝統的な食文化の伝承か、動物保護か? 捕鯨やイルカ漁の問題と同様に意見の分かれる難しい問題であるかもしれない。しかし、WSPAはポールの後押しを受けたことで、今後キャンペーンが加速していくはずと期待している。

xperedon charity news
http://www.xperedon.com/news_1826World Society for the Protection of Animals
http://www.wspa-international.orgポール・マッカートニーtwitter
https://twitter.com/paulmccartney