外国からの支援がなければ難民キャンプ崩壊の可能性
2013年5月30日-国連難民高等弁務官事務所によると、国境なき医師団がヨルダン政府のシリア難民受け入れが限界に達していると窮状を訴えている。
難民キャンプ環境は不安定。医師不足、夏期の健康状態悪化が懸念されている。
50万人がヨルダンで難民生活
シリアは内戦中。周辺国に逃れた人は150万人に達している。そのうち50万人がヨルダン国内で難民生活を送っているという。
最大の難民キャンプ「ザータリ・キャンプ」は、シリア国境から20km程度。1日平均1000人が到着。2013年4月までに10万人余りが生活している。
キャンプ内は緊迫感が途切れることがない。受け入れ能力は限界を遙かに超えている上、長期的財政支援がないため、継続受け入れの対策はない。
国境なき医師団では、2013年3月下旬に1~10歳対象の小児病院を創設。到着難民に対応できるよう人員を拡充し、4月下旬に外来診療所を増設。活動を強化している。重傷者にはキャンプ外の公立病院が案内されているが、どの病院の受け入れも限界に近い。
国境なき医師団は、2006年からヨルダンの首都アンマンの病院で活動。シリア、イラク、イエメンから患者を受け入れている。現在、5病院を運営。レバノンとイラクでは、シリア人難民を対象に医療・心理ケアを行っている。
関係責任者コメント
キャンプで活動するクラウディア・トルッパ医師
「過酷な生活による下痢と呼吸器感染症の継続的な増加を懸念している。夏は増加する。水が重要な問題。医療施設も不足している。」(引用元;国境なき医師団プレスリリース)
ヨルダン活動責任者、アントワーヌ・フーシェ氏
「各国からの政治的・財政的支援がなければ、ヨルダン政府も、難民受け入れ無期限中止や、公立医療施設の利用制限といった過激な対策を取らざるを得なくなる恐れがある。過酷な状況はいっそう厳しいものとなる。緊急の支援が必要。」(引用元;国境なき医師団プレスリリース)

ヨルダン:シリア人難民援助の限界
http://www.msf.or.jp/news/2013/05/6066.php国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/