3種類の殺虫剤が使用禁止に
かねてより欧州委員会や複数のNGOから環境への悪影響を問題視されてきた3種類の殺虫剤の使用が、欧州連合(EU)圏内で2年間にわたって使用禁止となると、先月29日欧州委員会が発表した。
今回2年間の使用禁止が課せられるのはドイツ、バイエル社の「イミダクロプリド」、「クロチアニジン」、スイス、シンジェンタ社の「チアメトキサム」である。これらの殺虫剤の使用は、近年問題となっているハチやその他の送粉昆虫(植物の受粉を媒介する昆虫)の個体数激減の要因であると指摘されていた。
image by Karen Roe過渡的な措置ながら世界初
しかし今回の決議ではこれらの殺虫剤の使用を全面的に禁止する措置にたいして過半数の賛同が得られなかったため、「とりあえず2年間の使用禁止」という過渡的な措置を引き出すに留まった。しかしながら、このような広範囲で一斉に使用を禁止することは世界初の試みであるという。使用禁止が適用されるのは12月1日からである。
ハチや送粉昆虫はEU圏内の農業に欠かせない存在であり、多大な利益をもたらす源である。つまりこれらの昆虫の個体数が激減してしまうと、農作物の受粉が滞ってしまうため、人工授粉などの出費がかさむだけではなく大変な不作に陥る可能性もあるのだ。
農業大国フランスでは、すでに独自の法律が確立されており、これらの殺虫剤は、2014年以降トウモロコシとヒマワリの種子に対して使用することが出来なくなるという。

欧州連合(EU)
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