被災の記憶を風化させないために
昨年5月6日に発生した国内観測史上最強規模の竜巻は、つくば市北部を横断、特に北条地区では市街地を直撃、家屋を基礎ごとなぎ倒し、コンクリートの壁に木が突き刺さるほどの甚大な被害をもたらした。
東日本大震災と同様に、今後も被災の記憶を風化させず被災地域に必要な支援を届けるために、つくば市は竜巻被害からの復興プロジェクトを立ち上げた。
今必要なことは「町興し」
つくば市は当初、義捐金を集めるための映像制作をデジタルハリウッド大学に依頼したが、地元住民との対話など現地でのリサーチによって、被災地域にいま必要な支援は「町興し」であるとの結論から、活気を取り戻しつつある被災地域への観光客誘致を目指して2つのウェブサイトを制作した。
北条地区の見どころを紹介したウェブサイトと、北条地区に残る国登録有形文化財「旧矢中邸」を新たに地域の文化遺産“矢中の杜”として再生し、地域社会の発展と交流に役立てる活動をおこなうNPO法人「矢中の杜の守り人」のウェブサイトだ。
建材研究者・矢中龍次郎が昭和初期に建設した近代和風住宅には、当時の家財道具なども多数残されており、建築だけでなく民俗史の視点からも貴重な文化遺産となっている。
復興支援は「町興し」で。ぜひ初夏の北条を旅してみよう。

“矢中の杜”の守り人
http://www.yanakanomori.org/茨城女の北条探索
http://www.iba-on.com/デジタルハリウッド大学
http://www.dhw.ac.jp/