肺炎と下痢は同時に防ぐと効果大
ユニセフとWHO(世界保健機関)が4月12日に発表した、新たな「グローバル・アクション・プラン」によると、世界的に5歳未満の子どもの命を奪う主な2つの病気である“肺炎”と“下痢”から、年間200万人の命を守ることが可能であるという。
肺炎と下痢への予防・治療は別々に実施されていることが多いが、肺炎や下痢は、多くの要因が重なり合って発症するため、効果的に予防や治療、コントロールをするには、栄養をとることや、衛生的な環境の整備、予防ワクチンなど複数の取り組みを同時におこなう必要がある。
肺炎と下痢による死亡を実質的に根絶する!
ユニセフとWHOの新たなアクション・プランでは、2025年までに達成する目標として次のことを掲げている。5歳未満の子どもの重度の肺炎と下痢の発症を、2010年レベルから75%削減すること、また発育阻害の5歳未満の子どもたちの数を世界で40%削減すること。
現在、肺炎に対する抗生物資の投与を受ける子どもの割合は31%、下痢のときに経口補水塩を利用できる子どもの割合は35%なのを、それぞれ90%まで引き上げること。
また母乳のみで育つ6ヵ月未満の子どもの割合は現在39%だが、この割合を50%まで引き上げること、衛生設備(トイレ)を利用できる子どもの割合63%、清潔で安全な水を使える子どもの割合89%を、それぞれ100%とすること、など。
安全な水と経口補水塩があれば、下痢で苦しむ子どもの93%を救うことができるという。予防可能な病気で命を落とす子どもを1人でも減らし、支援を必要とする貧しい国の子どもを守るプロジェクトに期待したい。

YouTube ユニセフ
「経口補水塩(ORS)-下痢や脱水症状から大切な命を守る」
http://www.youtube.com/watch?v=nTOPOBmL2pU