たとえ平和が戻っても…
マリ北部紛争から1年が経過した。国際NGOプラン・インターナショナルは、マリ北部から戦火を逃れてきた数千人の子どもたちの生活を支え、教育の機会を提供している。
10代の少女たちが、住み慣れた故郷に戻れずにいるのは、治安が不安定なためばかりではない。
マリでは、15歳未満の少女を年の離れた男性と強制的に結婚させる児童婚の習慣が残っており、故郷に帰れば、好きでもない相手と結婚させられる恐れがあるからだ。
体が未成熟なうちの性行為、出産は少女の心身を大きく傷つける。児童婚は少女たちにとって、命がけの問題でもある。
しかしながら、何世紀も前から行われてきた、このしきたりに、幼い少女がノーと言い続けることは簡単ではない。
母に守られて
プラン・インターナショナルの支援を受けて母と避難生活を送るマリアンさん(仮名)15歳は、自分の体験を同団体のホームページで次のように綴っている。
私の故郷トゥンブクトゥの人々は、夫にふさわしい人がいるからと私に結婚を迫りました。母は怒りました。母は14歳のとき、望まない結婚を強いられて、その後離婚しました。自分のように人生を台無しにしてほしくないと思っていたのです。戦闘によって、生活のすべてが不安定になったこともあり、母と逃げることにしました。
マリアンさんの母親の結婚相手は、10歳から15歳年上で、教育もなく仕事もない男性だった。マリアンさんの母親は成績が優秀だったが、結婚のために学校を退学しなければならなかった。それから何年も経ったのち、幸いなことに教師としての仕事につくことができ、2年前に、離婚に踏み切ったのだ。
しかし、その生活も今はない。二人のいちばんの気がかりは、故郷に残っている祖母のことだ。
マリアンさんの母親はトゥンブクトゥが安心して生活をできる状態になっているかどうか確かめようと試みている。マリアンさんはそんな母親と自分の将来について次のように綴っている。
私は母のような強い女性になりたいのです。私は自分の未来を自分の選択によって切り開いていきたいのです。

プラン・インターナショナル
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