表現と言論の自由を求めて
元ダイア・ストレイツのリーダーでイギリスのロックミュージシャン、マーク・ノップラー氏は自身のホームページで、6月に予定されていたロシアでのコンサートを中止する決断を下したと発表している。
コンサートを中止した背景には、外国から資金提供を受けている人権擁護NGOに対するロシア当局の圧力へ抗議する意図があるとみられる。マーク・ノップラー氏は、ロシアとロシアの国民に対する敬愛の情を述べつつ、表現や言論の自由が侵害されることのない社会の早期実現を望む声明を出している。
image by Abode of Chaos人権擁護NGOにロシア当局の圧力
中止が決定したのは6月7日と8日にモスクワとサンクトペテルブルグで開催されるはずだった公演である。すでにチケットが販売されていたため、コンサート主催者側はすべてのチケットの払い戻しを発表した。
ロシアでは、外国から資金提供を受けている「アムネスティ・インターナショナル」や「ヒューマンライツウォッチ」などの人権擁護団体に対して法改正をも持ち出して活動の締め付けを強化しているという。その裏にはこれらの団体がしばしばロシア政権に対し批判的な態度を取ってきたという事情がある。
昨年の夏に米歌手のマドンナ氏が、拘留されたロシアのパンクバンド「プッシー・ライオット」を擁護し釈放を求めた。プッシー・ライオットはプーチン大統領とロシア正教会を非難したため拘留されたが、検閲に抗議するマドンナ氏が表現と言論の自由を訴え行動に出た。

マーク・ノップラー
http://www.markknopfler.com/