一度、身をもって体験してみないことには…
目隠しをしたまま外出したり、視覚障害者の人の生活を体験するプログラムなどを耳にしたことがある人もいるだろう。自ら体感することで、状況を想像し理解するサポートをする「シミュレーション・エクササイズ」と呼ばれる手法だ。
人や環境をできるだけ本物の状況に近づけた世界を再現することで、問題を考えるきっかけを与え、より実践的な問題解決にアプローチする。先日、ゲーム開発エンジン「Unity」によって制作された、聴覚過敏症を持つ自閉症の子どもの世界を体感できるインタラクティブゲーム『Auti-Sim』が発表された。
自閉症をもつ子どもがなぜ耳を塞ぐしぐさをするのか?
あらゆる音が増幅されて頭の中で鳴り響く世界は、通常の聴覚を持つ人とってはショッキングなもの。あくまでゲームなので完全に同じではない可能性もあるが、障害をもつ人にどんな接し方をすればいいのか、どうすれば苦痛を軽減できるのか、考えるきっかけとなる。
聴覚のほかにも「色覚」に関するシミュレーターなどもある。テクノロジーによる再現体験・疑似体験によって、状況と理由を共感し、意識を高め、真に必要とされる配慮を考えていきたい。

YouTube「Auti-sim "Horror game without even trying" 」
http://www.youtube.com/watch?feature=player