恐るべき処女テスト
世界の人権問題を扱うNGOアムネスティ・インターナショナルが、いっこうに改善されていないエジプトの女性たちの状況についてホームページに記している。
アムネスティ・インターナショナルは、過去数年間の軍隊による女性への暴力のケースを記録した。それによると、軍隊は女性の活動家に暴力をふるったり、「処女テスト」と称した人権侵害をおこなったりしているという。
とくに2年前に起きたタハリール広場のデモでは、女性活動家たちへの攻撃に世界の関心が集まったが、そのほかの場、家や職場、路上でさえも、女性に対する暴力やセクシャルハラスメントが日頃から多発しているという。
またエジプトの法律では、女性は結婚、離婚、子どもの養育、遺産相続といった、あらゆる場面で男性よりも権利が制限されており、妻は夫にしたがうものだという風潮が強い。こうしたことからドメスティック・バイオレンスが犯罪とみなされないのが現状だ。
「私はあきらめない」
しかし、エジプトでは、こうした状況に泣き寝入りしている女性たちばかりではないことも、このリポートは伝えている。42歳のエジプト人女性アミナさんは、何年間も夫から暴力をふるわれ、二人の子どもをつけて、家を出た。
アミナさんは、その後、市民団体の活動に参加する。そこは、女性への暴力に反対し、売春婦やエイズ患者の権利を守る活動をしている団体だった。
だが、新たな災難がふりかかる。2010年の1月、彼女は売春婦からの聞き取りをしているときに、突然逮捕され、裸にされて取り調べを受けた上、牢獄に入れられた。
しかし、こうした危険にさらされても、アミナさんは人々の権利を守るための戦いを続けている。
アムネスティ・インターナショナルは、こうした女性への暴力をなくすためのチェックリストを作成。エジプト政府の担当局に、問題の根本に目を向けるよう求めている。
アムネスティ・インターナショナル
http://www.amnesty.org/en/news/