祖国を追われるアフリカの人々
近年急激に豊かになったといわれているアフリカだが、華やかなのは未だごく一部の成功を収めた人々に限られているようだ。その他の実に多くのアフリカ人たちは紛争や暴力、環境破壊が招いた気候変動などの犠牲となり祖国を追われることもしばしばである。
よりよい暮らしを求めて命がけで亡命する人々が後を絶たないという。アフリカを出てヨーロッパ大陸を目指す人も多く、ナイジェリア、カメルーン、セネガル、ギニアなどの西アフリカ諸国からヨーロッパへの渡る際、一時寄港先として皆がモロッコに入国するのだという。しかし今モロッコでは移民に対する暴力がエスカレートし、「国境なき医師団」はこの事態を告発している。
image by noborder networkただならぬ雰囲気のモロッコ移民事情
ここ10年というもの、イタリアをはじめヨーロッパの国境の監視はますます強化され、密航者が入国することは容易ではない。そのため彼らは一時寄港先のモロッコで足止めをくらう恰好となる。
しかしモロッコでは国家をあげて不法入国者を排除しようとしており、子供であろうと妊婦、負傷者であろうと軍によって強制的に退去させられるのだという。その際軍から執拗な暴力を被るのだという。
入国者たちは森に隠れ物乞いをして何とか食いつないでいる状態であるが、野宿しているところをモロッコ人に襲撃され金品を奪われたり、さらには人身売買の標的とされ、奴隷として売られてしまうケースもあるという。
国境なき医師団公式HPでは告発の詳細を公開している。
国境なき医師団 http://www.msf.fr/