条約制定のための交渉
昨年7月にも交渉が行われたが合意には至らず保留となっていた国連の武器貿易条約の制定のための交渉がニューヨークの国連本部で3月18日より10日間の日程で再開された。ル・モンド、リベラシオン他国内外の多数のメディアがこのことを報じている。
武器貿易条約は武器の国際取引を規制する条約構想であり、取引のための全世界共通の基準を制定することを目標としている。包括的な国際ルールの発動により紛争などを抑止する効果も期待されている。しかし条約の制定はコンセンサス(全会一致)方式を採用しているため昨年同様交渉は難航すると予想されている。
image by _gee_多くの命を奪う武器
昨年7月に行われた交渉ではアメリカやロシアのからの完全なる合意が得られずいわば「時間切れ」のような状態で交渉は寸断された。
武器貿易条約の制定を提唱する動きが出始めて早4半世紀の時が流れた。統計によると2012年に取引きされた武器の総額はおよそ700億から1000億ドルと言われている。また武器によって亡くなる人は年間50万人以上にものぼり数万人の女性と子供も巻き添えになっているという。
昨年に引き続きアメリカは規制の対象になる武器の案に合意しておらず、他の武器製造、輸出国も首を縦には振らない状態であるという。武器製造や輸出に関わる国が規制に同意してこそ重要な意味をもつ条約である。早期の条約制定が望まれる。

ル・モンド
http://www.lemonde.fr/リベラシオン
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