貧困のサイクルから抜け出すために
フィリピンの首都マニラで、ストリートチルドレンを対象にしたIT教育が行われている。
これは、長年に渡ってマニラのストリートチルドレンを支援してきたNGOチャイルド・ホープ・アジアがDell Philippinesの協力を得て、行っているものだ。
フィリピンでも、基本的なパソコン操作は、安定した就職する上での必須条件だ。エンジニアの職を志望する若者も多い。公立校でも、小学校のうちからパソコンを使った宿題を出すようになっている。
しかし、国民の3分の1が貧困ライン以下の生活をしているフィリピンでは、パソコンなど買うことのできない人がまだまだ多数だ。そのため、インターネットカフェは随所にあるが、路上で寝起きしているような子どもたちは、それをゆっくり利用するだけのお金もない。
もっと多くの子どもたちに
そこでチャイルド・ホープ・アジアは、近年、コンピューターを車に積んでマニラを回り、ストリートチルドレンに向けたコンピューターリテラシーの授業を始めた。
子どもたちには好評だったが、資金難に苦しむ同団体は、1台のパソコンを使って、何人もの子どもに指導しなければならなかった。
そこに手を差し伸べたのが、マニラ首都圏にオフィスを構えるDell Philippinesだった。Dell Philippinesは、10台のパソコンと、2台のワゴン車をチャイルド・ホープ・アジアに提供。さらには、従業員たちにボランティアでパソコンの指導に行くことをすすめている。
これによって、より広範囲で多くの子どもたちを指導することが可能になったと、代表のテレジッタ・シルバさんは、フィリピン・インクワイラー紙に喜びを語った。
Dell Philippinesは今後、マニラ首都圏のほかのNGOと協力し、より多くの子どもたちを支援していくことを検討しているという。
(編集部 野口和恵)

フィリピン・インクワイラー
http://newsinfo.inquirer.net/364841/