第16回ワシントン条約締約国会議
ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」の締約国による16回目の会議が3月3日から14日までの日程でタイ、バンコクにて開催された。会議では希少な動植物の保存のため国際取引を禁止、または規制する種を決める。WWFや多数のメディアがさまざまな視点から第16回目となる会議を採りあげている。
世界中で広く活動している環境保護団体「ヒューマン・ソサエティー・インターナショナル」は、この会議の開催にちなみ希少な動物をコレクションする行為に警鐘を鳴らし、動物学者で同団体のコンサルタントである Ronald OrensteinさんがAFP通信に詳細を述べている。
image by Michael Bentley密猟、密漁、密輸
同団体は希少な動物のコレクターが密輸や密猟といったいわゆるブラックマーケットをヒートアップさせている元凶であると指摘している。ペット用に販売されている種だけでは満足できず、次々と野生動物に欲望の目を向けるコレクターたち。
彼らには「希少な動物だから手を出してはいけない」という良心はなく、その種が希少であれば希少であるほどコレクションに加えたいという彼らの衝動は抑え難いものになるのだという。狙われる種はカメ、クモ、ヘビ、サソリ、カブトムシ、鳥類、ヤマネコなど実に多種多様だ。国際取引が禁止されている種であっても密猟密輸が横行し、一向に収まる気配はないのだという。
ペットを求める感覚でそれらの野生動物を入手する人の中には、「ペットとして飼育するということは殺すことではないのだから、角をとるためにサイを殺すことよりはいいのではないか」などと考える人もいるのだという。
各国のブラックマーケットに対する意識付けと、国際的な監視の目が野生動物を無用な商取引から守る唯一の手立てではないだろうか。

AFP通信
http://www.google.com/ヒューマン・ソサエティー・インターナショナル
http://www.hsi.org.au/?