締約国会議でやり玉に
世界的な動物保護団体、International Fund for Animal Welfare(IFAW)は、最新のリポートのなかで、タンザニアがすでに備蓄があった象牙を中国と日本へ輸出する計画を白紙に戻したとコメントした。
Charity News Xperedonによると、10万㎏にもおよぶタンザニアの象牙の輸出をめぐっては、昨年3月にバンコクで開かれた、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の締約国会議で議論に上がっていたところだ。
「このタンザニアの決断を歓迎する」とIFAWは述べたうえで、公式な宣言を締約国に向けて出すように求めている。
高級な装飾品の裏に
象牙の取引をめぐっては、1989年にワシントン条約で全面的に禁止されたものの、アフリカ諸国の強い反対により、例外的な条件つき輸出を認めてきた歴史がある。
また密猟は後を絶たず、一昨年の2011年には、世界で押収された象牙の量は24.3トンを記録。過去最悪の年となったことから、IFAWは違法取引に対して警戒を強めていた。今後もこのような傾向が続けば各国で法的な拘束力を強め、厳罰化することも必要だと考えている。
しかし、根本的にこの問題を解決するためには、象牙を売る側だけでなく、買う側の意識を変えていくことも必要だ。象牙とサイの角は、中国やほかのアジアの国に向けて取引されているといわれている。象牙は装飾品などに、サイの角は薬の原料などに使われ、重宝されている。
同団体は末端にいる消費者たちにも、製品がつくられるためにゾウやサイの大量殺戮が起きている現実をもっとよく考えてほしいと啓発活動を行っている。

Charity News Xperedon
http://www.xperedon.com/news_1970International Fund for Animal Welfare
http://www.ifaw.org/africa