紛争の犠牲になった子どものために
今年ノーベル平和賞を受賞したEUは、賞金の一部を紛争の犠牲となった子どもたちの教育活動のために寄付することを決定した。
EUは、60年以上ヨーロッパの民主化と平和推進のために貢献してきたとして、今年ノーベル平和賞の受賞が決まった。
EUはこの賞金の一部をコロンビア、コンゴ民主共和国、エチオピア、パキスタンで紛争の犠牲になった子どもと、イラクに避難してきたシリア難民の子どもの教育活動を行う国際機関や、人道支援団体に寄付するという。
平和賞の賞金は平和のために使う
「ノーベル平和賞の賞金を、紛争の犠牲になっている子どもたちのために使うことに異論はありません」と欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ氏はいう。
この寄付によって、2万3000人以上の子どもに教育の機会が与えられると想定される。そのうちのひとつ、パキスタンでは、難民キャンプに30の学校を建て、学用品を支給し、教師を派遣して学習指導を行うほか、平和教育やトラウマを抱えた子どもたちのための心理カウンセリングも行う予定だ。もちろん女子も教育を受けられるようにする。
このプログラムをすすめるユニセフは、3000人以上の子どもを支援することを予定している。
ユニセフによると、紛争地に暮らす子どもの半分にあたる、7500万人の子どもが学校に通えていないという。紛争地では、混乱に紛れ人身売買や性的虐待が横行することも少なくない。そしていちばんの犠牲になるのは子どもだ。しかし、学校ができれば、少なくとも授業の間は危険から子どもを守ることができる。
そして教育を受けることで、子どもたちは自信と、自分を守るすべを身につけることができる。争いではなく話し合いで物事を解決する子どもを育てる。それが関係者たちのめざすところだ。

ユニセフ
http://www.unicef.org/policyanalysis/index_66828.html