進まない復興
11月2日付けの仏紙「Le Monde」電子版では、カリブ海を縦断し多大な被害をもたらしたハリケーン・サンディの影響で国民の生活が麻痺してしまったハイチの様子を報じている。
カリブ海周辺諸国の中で最も貧しい国であるハイチでは、現地のNGOが奔走して何とか国民の生活を立て直そうとしているが、依然深刻な状況からは抜け出せていない。
image by Tjebbe van Tijen / Imaginary Museum Projects完全に麻痺した国民生活
サンディの通過で54名の死者、20数名の行方不明者を出し、3日間続いた豪雨によって多くの家屋が破壊され、橋や道路は押し流され、電気は通じず、農作物は甚大な被害を被った。
ハイチの首都ポルトープランスにある仮設キャンプには、2010年の大地震で被災した人びとが未だにひしめき合っている。その数は実に37万人にものぼり、復興は遅々として進んでいない。サンディはこの仮設キャンプにも壊滅的な被害を与えた。
コレラ蔓延のおそれも
食料が不足するなか暴動が頻発しており、国民の政府に対する不満はたかまるばかりだ。ハイチ政府は非常事態を宣言し、国際社会に広く支援を求めている。
清潔な飲料水の供給が困難な状況にあり、コレラの感染が拡大するおそれがあるため、現地の複数のNGOは衛生キットや浄水装置の配布、トイレの再建築の強化に奔走している。

Le Monde電子版
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