求められる国際社会の理解と支援
世界自然保護基金(WWF)は、8月12日の「ワールド・エレファント・デー(世界ゾウの日)」に合わせて、カメルーンで起きた大規模な密猟事件に関する動画を公開し、密猟と違法取引によって危機にさらされている野生生物を守るよう呼びかけた。
2月に起きたゾウの大量虐殺は、高性能の銃器を持つ密猟者が国境を越えてカメルーン北部の自然保護区に侵入、300頭以上のゾウの頭の前部分が切り落とされ、牙が抜き取られ、あとは腐るがままに放置されるという惨状だった。
象牙を必要とする人がいなければ密猟は起こらない
産経ニュースwestによれば、ゾウの虐殺がここ近年増加傾向にある原因を、
アフリカゾウの密猟と象牙の密輸がワースト記録を更新している。中国で所得が伸び、「需要」を押し上げているためだ。
価格が高騰して密輸のうまみを高め、アフリカでは武装勢力による密猟が激化した。(中略)2008年には1キロ157ドル(約1万2千円)だったが、11年には最高7000ドル(約56万円)に跳ね上がった。「アフリカに入る中国人労働者の、象牙への誘惑が強まっている」という。
としている。
密猟者はゾウの保護にあたるパークレンジャーをも襲撃し、死傷者が出ている。WWFは多発する象牙を狙った密猟や違法取引、密猟とのたたかいの収束、この地域のアフリカゾウの亜種マルミミゾウを絶滅種に仲間入りさせないよう、社会に訴えかけている。
日本は象牙の国際取引の禁止後、2度にわたり一回限りの合法輸入が認められた唯一の国。印鑑や三味線のバチなどに象牙を使用している象牙消費国として、アフリカゾウの保護や国際ルールの順守に対する責任も重い。

世界自然保護基金(WWF)
http://www.wwf.or.jp/activities/2012/09/1082611MSN産経west
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news