世界的キャンペーンの成果
ユニセフは今月10日、アフリカ・アンゴラ国内で1年間ポリオが発生しなかったことを発表した。ポリオは感染症のひとつで5歳以下の子どもが感染しやすい。り患すると一生まひ症状が残ることが多い。1950年代にワクチンが開発されたものの、1988年の時点では、125か国以上で、毎年35万人以上がポリオにり患していた。
しかし、各国政府や世界保健機関(WHO)、ユニセフ、民間の慈善団体らが連携して、大々的にポリオ撲滅キャンペーンをすすめてきたことで、ポリオの発生件数は大きく減少。ポリオ無発生を宣言する国が増えてきた。
内戦終結から10年で大きく好転
アンゴラでは2002年まで内戦が続いていたが、数年前から、ポリオワクチン接種キャンペーンが盛り上がりをみせてきた。政府が費用の大半を負担したことで、数千人の保健師が5歳以下の子どもがいる家庭を一軒一軒たずね、ポリオワクチンを接種することができた。
治安の安定、経済発展によって安全な水や衛生用品を手にいれることができる家庭も増えてきた。
2010年の時点で33件の報告があったポリオ患者は、2011年には5件にまで減少、そして2011年7月を最後に新たなポリオ患者は現れていない。
世界のポリオ発生件数は、2012年8月1日の時点で103件。1988年の時点から99%以上減少したことになる。現在も発生が確認されているのは、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンの3か国だ。

ユニセフ
http://www.unicef.org/media/media_65516.html