大人には雇用を子どもには栄養を
先日WFP(国連世界食糧計画)はアフガニスタンに向けて、7つのコンテナに入った移動式ビスケット製造機を送った。
この機械は栄養価の高い、高カロリービスケットをつくるために改良されたもので、アフガニスタンの協力会社によって運営される。WFPはその協力会社からビスケットを買いとり、空腹で学校に通う子どもたちに配布する予定だ。一方で、協力会社は一般市場向けにもビスケットを販売し、その売上でWFPへ投資費用を返済していく予定だ。
栄養不足の子どもたちには栄養を、仕事のない大人たちには雇用を供給する。それがこのプロジェクトのねらいなのだ。
アフガニスタンの条件にあわせて改良
この製造機は、イタリア・ベローナの インダストリアル・パークで稼働しているのと同じ機械を改良したもの。6メートル×2.5メートルの小さな寸法だが、1台で材料を混ぜるところから、焼きあがったビスケットの梱包までをこなす。
WFPの食品担当技術者らは、栄養素を損なうことなく製造できるように製造工程のすべてのステップで精査を行った。また、夏は暑さが厳しく、冬は氷点下まで気温が下がるアフガニスタンの過酷な気候にも耐えられるように改良した。
アフガニスタンの協力会社は次のように語っている。「このプロジェクトがスタートすれば、約25人の男女を新たに雇うことができます。軌道にのれば、その倍くらいに従業員を増やすこともできるでしょう。しかも 製品をWFPに売って、アフガニスタンの子どもを助けることができるなんて、とてもうれしい」
子どもたちに栄養を供給し、雇用を生み出す。夢のつまったビスケット工場が近々アフガニスタンで稼働する。

WFP(国連世界食糧計画)
http://www.wfp.org/stories/