フェアトレードが浸透する欧州
昨年のヨーロッパのフェアトレード商品の購入総額が、約50億ユーロにのぼることがFairtrade Internationalの調べでわかった。
フェアトレードは、途上国の生産者が搾取されてきた従来の取引にかわり、労働に見合った金額を支払い、生活を改善させることをめざすビジネスモデルだ。
Fairtrade Internationalによると、現在、フェアトレード認証を受けた商品は120か国以上で取り扱われているという。特にフェアトレードの先進国ヨーロッパでは、スーパーなどでフェアトレードラベルのついた商品を日常的に目にすることができ、一定の市場を築いているようだ。
日本では10年ほど前からNGOなどが現地のNGOらと提携して、フェアトレードを運営するようになってきた。
その善意は生産者たちに届いてる?
現在のフェアトレード商品の内訳はコーヒー、ココア、バナナ、砂糖、茶、花き類など農作物が大きな割合を占める。売上が増加したことによって、農場で働く生産者たちの手取りも増え、今後はこれを元手にして生産者たち自身が農地改良、教育、ヘルスケアなどの生活改善プロジェクトを立ち上げることが可能だとFairtrade Internationalは述べている。
しかし、ここには異論もある。フェアトレード商品の流通には、さまざまな形があるが、ヨーロッパで主流となっているのは、認証型といわれるものだ。認証型の場合は、販売者が生産者から直接商品を買い取るケースは稀で、通常は中間業者がいくつも入っている。
そのため、実際には末端の生産者が受ける恩恵は少ないというリポートも数多く報告されているのだ。「少しでも世界がよくなるように」という思いでフェアトレード商品を購入する消費者の善意が無駄なく生産者に届くよう、制度が改善されることを期待したい。

Fairtrade International
http://www.fairtrade.net/single_view1+M528a593be0f.html