ワクチン価格の高騰
世界各地で人道支援活動を展開している「国境なき医師団」は、子どものためのワクチンの価格がこの10年で高騰したことを指摘しており、発展途上国の子どもたちの健康を護るためにはワクチン価格の引き下げが必要であると訴えている。
4月24~25日にはアブダビにて「世界ワクチン首脳会議」が開催されたが、国境なき医師団はこの会に先立ち、ワクチンの価格高騰により発展途上国の子どもたちがワクチンを接種しづらくなってきているとの声明を発し、製薬企業に対しワクチンの価格引き下げを呼びかけた。
image by UNICEF Sverige新パッケージに含まれる高額なワクチン
国境なき医師団のマニカ・バラセガム医師によると、2001年の時点では、6種類の病気に対するワクチンは1.37ドルであったのに対し、現在は11種類のワクチンのパッケージ価格が38.80ドルもするのだという。
価格上昇の主な要因は、新たに加えられたロタウイルス、肺炎球菌用のワクチンの価格が非常に高いためであるという。この2種類のワクチンの価格だけでパッケージ価格の75パーセントを占めているのだという。
このようにワクチンの価格が高額だと発展途上国の子どもたちを護ることが難しくなってしまうのが事実だ。企業からの寄付などに頼るのは持続可能な対策ではないとし、国境なき医師団はGAVIアライアンス(ワクチン予防接種世界同盟)に対し人道支援団体が引き下げられた価格でワクチンを使用できるよう要求している。

国境なき医師団
http://www.msf.org/article/