捨て犬、動物虐待防止に貢献
イギリス政府は、2016年4月から、すべての犬にマイクロチップを装着することを飼い主に義務付けることを決定した。
マイクロチップは、飼い主の情報などが記録された記憶媒体。長さ数ミリの小さなカプセル状になっており、注射器のような形をした器具を使って、動物の体内に埋め込むことができる。
犬が飼い主とはぐれた場合、専用のリーダーを犬の体にあてれば、チップに記録された飼い主の連絡先が表示されるため、スムーズに飼い主のもとに戻すことができる。また飼い主の身元照会が容易になることで、捨て犬や虐待の防止にも役立つ。
80億円の保護費を軽減へ
Charity News Xperedonによると、イギリスでは毎年10万頭以上の犬が捨てられたり、飼い主とはぐれたりしている。こうした犬を保護するためにかかる費用は、毎年、5700万ポンド(約82億6000万円)。これは税金と動物愛護団体への寄付によってまかなわれている。
しかし、最終的に飼い主の所在がわからない犬は、殺処分されることになる。毎年、少なくとも6000頭の犬が処分されているという。また、適切なしつけを飼い主から受けていない犬は、人間に危害を与えることもある。イギリス国内では、2005年以降、8人の子どもと6人の大人が、犬に襲われて命を落としているという。
今回のマイクロチップの装着義務化は、こうした状況の改善におおいに役立つものと期待され、イギリス国内の動物愛護団体は、政府の決定を高く評価している。

Charity News Xperedon
http://www.xperedon.com/news_2120