知らぬ存ぜぬはあり得ない
世界各地の環境保護を訴え、手厳しいパフォーマンスでも知られる国際NGO、グリーンピース。今度の批判の矛先は日立と東芝だ。
家電メーカーのイメージが定着している日立と東芝は、じつはアメリカのゼネラルエレクリック社と肩を並べる世界的な原子炉メーカー。
福島第一原子力発電所の原子炉をつくっていたのも上の3社だった。原発事故の被害総額は約20兆円。補償のために国民の税金3.2兆円が投入されているが、まだまだ不十分だ。
東京電力や政府の責任追及のかげに隠れているが、原子炉メーカーからは1円の補償費用も払われていない。さらに海外への原子力輸出にはなおも積極的な姿勢を見せている。グリーンピースは、この点を批判し、グリーンピース・インターナショナルと日本事務局のホームページ上で、原子炉メーカー3社に補償の支払いを求める署名を募っている。
世界は今も福島を忘れない
今回のアクションは、被害者への補償の支払いを円滑化するとともに途上国で進む原子力開発に一石を投じるのが目的だ。
グリーンピース・インターナショナルの試算によると、今回の被害総額と同じ20兆円を自然エネルギーの開発に投資することができれば、原発54基分と石炭火力発電所4基分の電力を発電することが可能だという。
同団体は、さらにホームページで福島から避難している人々の写真と英語のメッセージを掲載している。
いちばん上の子どもと離れて暮らさねばならない辛さを訴える主婦、村に残っている友人たちを心配する女性の悲痛な叫びが、世界に向けて発せられている。
震災からもうすぐ2年。原発事故の当事国として、わたしたちはどんな判断をすべきだろうか。

グリーンピース・インターナショナル
http://www.greenpeace.org/international/en/getinvolved/