穀物と食用油を家庭に配布
昨年7月、アフリカに建国したばかりの国、南スーダン。この国は、世界のなかでも識字率の低い国だ。950万人の人々が字を読むことができない。特に女性だけをみると、読み書きできるのは、わずか16%にとどまっている。
この背景には、ほかのアフリカ諸国と同様、女子の就学率が低いということがある。貧しい家庭のなかでは、男子を優先的に学校に行かせて、女子には家事労働をまかせることが慣習になっているのだ。
そこでWFP(国連世界食糧計画)は、女子の就学率をあげるため、女子生徒のいる家庭に食糧支援を行っている。毎月20日間以上、女子を学校に通わせることを条件に、9.9キロの穀物と3.6キロの食用油を配布するというものだ。
WFPは今年だけで、これまで約3万人の女子生徒の家庭に支援を行ってきた。ある学校の関係者によると、このプロジェクトはめざましい効果を上げており、今では男子生徒より女子生徒の出席者が多いくらいだという。
女性がリーダーシップをとれる国に
支援を受けている少女の一人、14歳のビオラは、「食糧支援のおかげで、私たちは学校に通わせてもらうことができます。おかげで私たちは読み書きができるようになりました。きっと良い未来を手に入れることができると思います」と語る。彼女の将来の夢は医者。将来、南スーダンで、多くの女性たちがリーダーシップをとることを望んでいる。
専門家は、女子の就学率が上がれば、結婚、出産する年齢も相応に上がり、将来生まれてくる子どもの生育環境にとっても良い影響を与えるという。WFPは今後も長期にわたって、女子生徒の家庭への支援を続けていくつもりだ。
「貧困と飢餓のサイクルと断ち切るには、女性支援から」と、WFP南スーダンのディレクタークリス・ニコイさんはいう。

WFP
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